【競馬知識】競馬の控除率を理解する。馬券購入で損をしないために

競馬知識

今回は多くの競馬ファンが意外と知らない「控除率」について詳しく解説します。馬券を買う際、どれくらいの金額がJRAに控除されているのか、そしてオッズがどのように決まるのかを理解することで、より賢い馬券の買い方ができるようになります。

目次

  • 控除率とは?基本的な仕組み
  • JRAの控除率と馬券種類別の違い
  • オッズの計算方法と控除率の関係
  • 控除率から考える理論上お得な馬券
  • 馬券選びのアドバイス:回収率を上げるための戦略
  • まとめ:控除率を理解して賢く馬券を買おう

控除率とは?基本的な仕組み

競馬の控除率とは、簡単に言えば「馬券の総売上のうち、手数料として引かれる金額の割合」のことです。私たち馬券購入者は、馬券を買った時点で既に「控除率」分のお金を失っているのです。

JRA(日本中央競馬会)の控除率はおおよそ20〜30%で、そのうちの10%分は国庫へと納付され、残りはJRAの運営費となります。つまり、100円の馬券を買うと、その時点で20〜30円は既に手元を離れているのです。

残りの70〜80%が「払戻率」として、当たった人への払戻金の原資となります。ギャンブルである以上、運営側が収益を得る仕組みは当然ですが、この控除率を理解しておくことで、より効率的な馬券の買い方ができるようになります。

JRAの控除率と馬券種類別の違い

JRAでは平成26年6月7日以降、馬券の種類によって異なる控除率(払戻率)を設定しています。

馬券の種類 控除率 払戻率
単勝 20% 80%
複勝 20% 80%
枠連 22.5% 77.5%
馬連 22.5% 77.5%
ワイド 22.5% 77.5%
馬単 25% 75%
3連複 25% 75%
3連単 27.5% 72.5%
WIN5 30% 70%

注目すべき点は、配当金が高くなりやすい券種ほど控除率が高く設定されているということです。例えば、万馬券が出やすい3連単は27.5%も控除されるのに対して、単勝や複勝は20%の控除率に抑えられています。

特に、最大6億円の配当が狙えるWIN5は、控除率が30%と最も高いことから、理論上は最も不利な馬券と言えるかもしれません。

オッズの計算方法と控除率の関係

オッズは次の計算式で求められます:

オッズ = 払戻率 ÷ 支持率

ここで、「払戻率」は先ほど説明した通り(100% – 控除率)であり、「支持率」はその馬(または馬の組み合わせ)に投票された金額が総投票額に占める割合です。

具体例を見てみましょう。あるレースで単勝の総売上が1,000万円、そのうち1番人気の馬に400万円の投票があったとします。

  1. 払戻率は80%(単勝の控除率は20%)
  2. 支持率は40%(400万円 ÷ 1,000万円)
  3. オッズは80% ÷ 40% = 2.0倍

つまり、この馬が勝った場合、単勝1,000円の馬券に対して2,000円が払い戻されることになります。

この計算式から分かるように、支持率が高い(人気がある)馬ほどオッズは低くなります。反対に、支持率が低い(人気が無い)馬ほどオッズは高くなります。

また、同じ支持率の馬でも、控除率の低い馬券種類(単勝・複勝)の方がオッズが高くなる傾向があります。

控除率から考える理論上お得な馬券

控除率の観点から考えると、長期的にプラス収支を目指すなら、控除率の低い馬券を選ぶべきです。つまり、単勝と複勝が最も有利ということになります。

しかし、これはあくまで「理論上」の話です。実際の競馬では、予想の精度や配当金の大きさなど、他の要素も考慮する必要があります。例えば、3連単は控除率が高いものの、配当金も大きくなる可能性があるため、一概に不利とは言えません。

また、JRAでは「JRAスーパープレミアム」と呼ばれる特別な日に、すべての馬券の払戻率を80%に引き上げるキャンペーンを実施しています。このような日に3連単などの通常控除率が高い馬券を買うと、より有利になる可能性があります。

馬券選びのアドバイス:回収率を上げるための戦略

控除率を考慮した上で、回収率を上げるための戦略をいくつか紹介します。

  1. 控除率の低い馬券を基本とする:単勝や複勝を中心に考え、枠連・馬連・ワイドなどを組み合わせる戦略が効果的です。
  2. 過小評価されている馬を狙う:実力はあるのに人気(支持率)が低い馬を見つけることができれば、期待値の高い馬券になります。
  3. 特別なキャンペーン日を活用する:「JRAスーパープレミアム」などの特別な日には、普段避けている高控除率の馬券にもチャレンジしてみましょう。
  4. 購入するレースを厳選する:全レースに手を出すのではなく、予想に自信があるレースだけに絞って馬券を購入することも重要です。
  5. 長期的な視点を持つ:一時的な勝ち負けに一喜一憂せず、継続的に回収率を意識した馬券購入を心がけましょう。

まとめ:控除率を理解して賢く馬券を買おう

競馬は娯楽としての側面が強いギャンブルですが、控除率という仕組みを理解することで、より賢く楽しむことができます。控除率が存在する以上、単純に「予想が当たれば勝てる」というわけではなく、どの馬券をどう買うかという戦略も重要になってきます。

結論としては、長期的に見れば単勝・複勝などの控除率の低い馬券が有利ですが、それだけでは大きな利益は望めません。自分なりの予想法を確立し、時には思い切って3連単などの高配当を狙うことも必要でしょう。ただし、その際には控除率という「見えない壁」の存在を常に意識しておくことが大切です。

競馬を楽しみながらも、控除率という仕組みを理解して、少しでも賢い馬券の買い方ができるようになれば幸いです。

 

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